近距離恋愛
土日の間、風邪を理由に寝て、考えて、
月曜になって、それでも答えは出なかった。
考え過ぎで眠りが浅いからだと思うけど、
朝は普通に一人で起きられた。
朝ご飯も残さずに食べた。
いつも通りに家を出た。
普段ならシンと一緒の道を、一人で歩いた。
だから、遅刻ぎりぎりだった。
忘れ物はしなかった。
お弁当は自分で持ってきた。
凜ちゃんは、いつもと様子の違うあたしに気づいて
心配そうな視線を向けてたけど、
何も言わないあたしに気を遣ったのか何も言ってこない。
早くお弁当を食べ終わったから、
とりあえず教室から出た。
適当にふらふら歩いて、裏庭に出て。
ここでシンが告白されてたなあ、なんて考えて。
木陰で少し、ぼうっとしてみる。
「…シン…」