きみと泳ぐ、夏色の明日
そのあと圭吾くんと駅前のイタリアンの店に入った。格安で美味しいパスタが食べられるから紗香と何度か来たことあるけど、圭吾くんと来ることになるなんて……。
「すずちゃんなにがいい?」
「じゃあ、Aランチで」
「まじで?俺もそれにしようと思ってた」
屈託のない爽やかな笑顔。
圭吾くんの肌はこんがり焼けていて、屋外のプールでも練習したりするのかな。有由高に行ったことがないから知らないけど。
私はアイスティーを飲みながら目が落ち着かない。
圭吾くんにずっと見られている感じがするのは気のせい……?
「この前会った時、なんですずちゃんに連絡先を聞かなかったのかずっと後悔してた」
「え?」
「だって偶然じゃないと俺たち会わないでしょ?」
私の目がまたべつのところを向く。
男子と向かい合うのはやっぱり慣れない。
圭吾くんは次元の違う人というか、そんなオーラがあるから余計に。
「全国大会、すずちゃんは来るの?」
応援にって意味だよね。
応援?だれの?須賀の?
そういえばクラスメイトたちは行くって言ってたっけ。須賀があんなことになっちゃったから大会のことは極力みんな気を遣って言わなかったけど。
「今のところ予定はないけど……なんで?」
圭吾くんの調子はどうなんだろう。
きっと結果を出すためにコンディションは整えてくるはず。
「来てほしいなって。応援に。俺の」