きみと泳ぐ、夏色の明日
そして朝のホームルーム。担任の一言で教室の雰囲気がガラリと変わった。
「今から急遽席替えをする。席は先生が決めた席に座ること」
せ、席替え?あと少しで1学期が終わるのに?
えー!!と言うクラスの反発の声の中、担任が苦い顔をした。
「おまえら授業中うるさいって苦情がきたんだよ。だから席替え!文句は受け付けない」
担任はブーイングも聞かずに生徒たちの名前が書かれた座席表を読み上げはじめた。
「廊下の一番前から安西、次は澤田、次は高橋……」
くじ引きでも話し合いでもなく、勝手に決められていく席順。もちろん、騒がしい人や仲のいいグループはみんなバラバラにされていった。
「じゃあ5列目。前から矢嶋、野中、池田」
次々席が決まっていく中で、私の名前はなかなか呼ばれなかった。
「……んで、一番後ろが須賀な」
須賀の名前は呼ばれると、みんなのざわめきは頂点に。
「須賀また後ろの席?先生、須賀だけずりーよ」
たしかに須賀は前回も一番後ろで、くじ引きでも必ずいい席を引く。須賀は授業中いつも寝ているから静かだけど、やっぱり先生は甘い気がする。
「はいはい文句は言わない。それで須賀の隣の席は……間宮すず」
え……。
一斉にクラスメイトの視線が私へと向けられた。
須賀の隣が私?なんで?絶対イヤ。
須賀に興味なんてないのに女子の反感を買うのはごめんだ。