きみと泳ぐ、夏色の明日

***


目を開けると、そこは真っ白な天井だった。

消毒液の匂い。そして少し硬めのベッド。


ここは……保健室?

まだ頭がぼーっとしてる中、シャッ……と周りを覆うカーテンが開いた。


「あ、気がついたんだ」

その声と共に現れたのは須賀。格好は白いYシャツの制服姿で濡れていた髪も乾いている。


プールは?私、泳いでたんじゃなかったっけ?

状況が理解できていない私に須賀が説明してくれた。


「お前足がつって溺れたんだよ。それと寝不足と貧血も原因だって」

「………」

「たく。ちゃんと食わないからそんなに細いんだよ。少し水は飲んだっぽいけど横になってれば平気だとよ」


……なんだ。意を決して水に入ったのに結局なにも変わらないまま。

そのせいで思い出したくないことも思い出しちゃったし、余計に心は重症だ。


「それに泳げないならムリすんなって……な、なに泣いてんの?」

須賀の慌てた声を聞いて、自分の目から涙が流れていることに気づいた。

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