きみと泳ぐ、夏色の明日
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目を開けると、そこは真っ白な天井だった。
消毒液の匂い。そして少し硬めのベッド。
ここは……保健室?
まだ頭がぼーっとしてる中、シャッ……と周りを覆うカーテンが開いた。
「あ、気がついたんだ」
その声と共に現れたのは須賀。格好は白いYシャツの制服姿で濡れていた髪も乾いている。
プールは?私、泳いでたんじゃなかったっけ?
状況が理解できていない私に須賀が説明してくれた。
「お前足がつって溺れたんだよ。それと寝不足と貧血も原因だって」
「………」
「たく。ちゃんと食わないからそんなに細いんだよ。少し水は飲んだっぽいけど横になってれば平気だとよ」
……なんだ。意を決して水に入ったのに結局なにも変わらないまま。
そのせいで思い出したくないことも思い出しちゃったし、余計に心は重症だ。
「それに泳げないならムリすんなって……な、なに泣いてんの?」
須賀の慌てた声を聞いて、自分の目から涙が流れていることに気づいた。