きみと泳ぐ、夏色の明日
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「すず。さっき大丈夫だった?」
プールの授業が終わり更衣室。友達の紗香(さやか)が駆け寄ってきた。
「べつに平気。もう乾いたから」
私はすでに制服に着替え、紗香が着替え終わるのを待つ。
「そっか。ってかすずって須賀のこと嫌いだよね」
口に出したことはないけど、やっぱり紗香には見透かされてる。まあ、私が態度に出しすぎているってこともあるけど。
「嫌いっていうか……苦手」
「そう?私はけっこう須賀のこと好きだけど」
紗香は私が嫌いと言ってもそれに合わせたりしない。自分の意見をちゃんと言ってくれる所が私はけっこうラクだったりする。
「須賀って夏限定でかっこよく見えるんだよね。あの体はやばいっしょ」
いわゆる逆三角形。水泳選手特有の体つき。
17歳の男子があれだけの体になるには相当な努力が必要。
だから私は苦手なんだと思う。
私が大嫌いな水の中で生きてる須賀のことが。