きみと泳ぐ、夏色の明日

***


「あ、こんな所にサボり魔発見」


突然聞こえたそんな声に私は慌てて目を開けた。何故かそこにはパンを抱えてる須賀がいる。


な、なんで須賀が?

そう思ったあとに、さっきとは違う学校の雰囲気に気づいた。授業中でシーンとしていた校内は、いつの間に騒がしいものになっていた。


「よくこんな場所で居眠りできるよな。熱中症になりたいのかよ?」


須賀は呆れた顔をしながらパンを頬張っている。

須賀の言うとおり、私は少しの間眠っていたみたいだ。そういえば最近寝不足気味だったけど、まさかこんな場所で……。

スマホを確認すると紗香からの着信とメール。


【4限目終わったよ。今どこ?お昼食べないの?】


……教室に戻らなきゃ。紗香が心配してくれている。


私はすぐに立ち上がり、屋上のドアノブに手をかけた。


「なあ、間宮。俺がここにいたこと内緒な」

背中越しに須賀のそんな声が聞こえたけど、私は返事をしなかった。

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