後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
エリーシャに似せたアイラの姿は、完全に元に戻っていた。黒い髪、黒い瞳。
「困るのよねぇ~皇女を殺せって言われてきたのに、侍女じゃ意味ないじゃない」
女はフードを払い落とした。暗闇の中に女の金髪が明るく浮かび上がる。
「そこの騎士さん、ちょっとどいてくださる? ここにいるのが侍女なのはわかるけど、一応始末しなくっちゃ」
ぎり、と歯ぎしりをしてフェランは女をにらみつけた。
「困るんだよねぇ~、ユージェニー。うちの大事な娘を傷物にしてくれちゃって、この責任はどうとってくれるつもりなんだい?」
完全に場違いなのんきな声がする。それが父親のものであるのと気づく前に、アイラの意識は失われていた。
「困るのよねぇ~皇女を殺せって言われてきたのに、侍女じゃ意味ないじゃない」
女はフードを払い落とした。暗闇の中に女の金髪が明るく浮かび上がる。
「そこの騎士さん、ちょっとどいてくださる? ここにいるのが侍女なのはわかるけど、一応始末しなくっちゃ」
ぎり、と歯ぎしりをしてフェランは女をにらみつけた。
「困るんだよねぇ~、ユージェニー。うちの大事な娘を傷物にしてくれちゃって、この責任はどうとってくれるつもりなんだい?」
完全に場違いなのんきな声がする。それが父親のものであるのと気づく前に、アイラの意識は失われていた。