後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
皇女の心
机に向かっていたイヴェリンは、ただならぬ様子のアイラを椅子に座らせて、お茶を運ぶように命令した。
「何があったのですか? 今日はレヴァレンド侯爵の長男とお会いになっているのではなかったのですか?」
イヴェリンは、アイラをあくまでも皇女として扱う。
「――あの人、何かおかしいです」
アイラはまだどきどきしている胸元をしっかりと手で押さえた。そこに揺れるのは豪華な宝石の首飾り。
アイラの本来の身分なら、絶対に身につけることのない品だ。
「おかしいって――?」
「う――うまく説明できません!」
アイラは手を押さえたまま、ふるふると首を横に振る。
ダーシーは、おそらく何かを知っている。だからこそアイラに脅しをかけてきたのだろう。
けれど――それがどこまでなのかはわからない。アイラとエリーシャの入れ替わりを知ってのことか。それとも、アイラもエリーシャも知らない何かを彼がつかんでいるのか。
「何があったのですか? 今日はレヴァレンド侯爵の長男とお会いになっているのではなかったのですか?」
イヴェリンは、アイラをあくまでも皇女として扱う。
「――あの人、何かおかしいです」
アイラはまだどきどきしている胸元をしっかりと手で押さえた。そこに揺れるのは豪華な宝石の首飾り。
アイラの本来の身分なら、絶対に身につけることのない品だ。
「おかしいって――?」
「う――うまく説明できません!」
アイラは手を押さえたまま、ふるふると首を横に振る。
ダーシーは、おそらく何かを知っている。だからこそアイラに脅しをかけてきたのだろう。
けれど――それがどこまでなのかはわからない。アイラとエリーシャの入れ替わりを知ってのことか。それとも、アイラもエリーシャも知らない何かを彼がつかんでいるのか。