後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
「レヴァレンド侯爵ですが――」
真面目な口調で話し始めたジェンセンだったが、すぐにダーシーの方へ向き直ると一礼した。
「この屋敷から少し離れたところで、遺体で発見されました」
「まさか」
ダーシーが腰を浮かせる。
「父は別邸の方に行っているはずだ。セシリーをたずねて――なぜ、屋敷に戻っている?」
正気に戻ったダーシーは、どこか人をくったような表情を浮かべていたのだが、さすがに血の気を失っている。
「彼女はもういませんよ、ダーシー様。姿を消しました」
「後手後手ね!」
ジェンセンの言葉にエリーシャが嘆息する。まさか侯爵が遺体で見つかるとは予想すらしていなかった。少なくとも、まだしばらくの間はセシリーも侯爵を利用することができたはずだ。
エリーシャたち帝国側の人間が、セシリーの存在に気がついたのはつい最近のことだし、侯爵に対して直接的な行動に出るまではまだしばらくの猶予があるだろうと思っていた。
真面目な口調で話し始めたジェンセンだったが、すぐにダーシーの方へ向き直ると一礼した。
「この屋敷から少し離れたところで、遺体で発見されました」
「まさか」
ダーシーが腰を浮かせる。
「父は別邸の方に行っているはずだ。セシリーをたずねて――なぜ、屋敷に戻っている?」
正気に戻ったダーシーは、どこか人をくったような表情を浮かべていたのだが、さすがに血の気を失っている。
「彼女はもういませんよ、ダーシー様。姿を消しました」
「後手後手ね!」
ジェンセンの言葉にエリーシャが嘆息する。まさか侯爵が遺体で見つかるとは予想すらしていなかった。少なくとも、まだしばらくの間はセシリーも侯爵を利用することができたはずだ。
エリーシャたち帝国側の人間が、セシリーの存在に気がついたのはつい最近のことだし、侯爵に対して直接的な行動に出るまではまだしばらくの猶予があるだろうと思っていた。