後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
ダーレーンに入って
「何というか、異常に目立ってないですか?」
アイラは街道をのんびり進みながら、イヴェリンにたずねた。イヴェリンは、肩を揺すって、肩に掛けた荷物の位置を直している。
「……何故、あいつらにまかせたんだろうな。やりにくくて仕方ない」
イヴェリンは目立たないように後方に視線を向けた。アイラとイヴェリンの後ろを歩いてくるのは、フェランとライナスの二人だ。
二人とも馬に乗ってではなく歩いているのだが、服装が貴族の子弟のままだから、かえって人目を引いている。
歩き始めてから数日。常にフェランとライナスはアイラたちの少し後ろを見え隠れしながら着いてきていた。
顔立ちの整っている二人だし、徒歩で移動するような身分でないことは見ればわかってしまうしで、目立つことこの上ない。
周囲の人たちの視線が二人に集まっているおかげで、その前方を行くアイラとイヴェリンについては人々の記憶から消却されているようではあるが。
「そんなにわたしは頼りないのだろうか」
額に手を当ててイヴェリンは嘆息した。
アイラは街道をのんびり進みながら、イヴェリンにたずねた。イヴェリンは、肩を揺すって、肩に掛けた荷物の位置を直している。
「……何故、あいつらにまかせたんだろうな。やりにくくて仕方ない」
イヴェリンは目立たないように後方に視線を向けた。アイラとイヴェリンの後ろを歩いてくるのは、フェランとライナスの二人だ。
二人とも馬に乗ってではなく歩いているのだが、服装が貴族の子弟のままだから、かえって人目を引いている。
歩き始めてから数日。常にフェランとライナスはアイラたちの少し後ろを見え隠れしながら着いてきていた。
顔立ちの整っている二人だし、徒歩で移動するような身分でないことは見ればわかってしまうしで、目立つことこの上ない。
周囲の人たちの視線が二人に集まっているおかげで、その前方を行くアイラとイヴェリンについては人々の記憶から消却されているようではあるが。
「そんなにわたしは頼りないのだろうか」
額に手を当ててイヴェリンは嘆息した。