後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
幸運を呼ぶという壷、魔を払うという指輪、悪霊を封じるためのお札。あの父親に育てられたアイラなどは馬鹿馬鹿しいと思うけれど、信じる人がいるのもまた事実。
「あはは、セシリー様はそんなことはしないよ。あの方には貴族階級の人たちも世話になってるからねー。たぶん、お偉いさんたちがお金を出しているんじゃないか?」
物凄く失礼なアイラの言い分にもケヴィンは腹をたてず、全部説明してくれた。話がうまく教団にいったところで、イヴェリンが泣き落としにかかる。
「……セシリー様というのは、死者の声を聞かせてくれるのだそうですね」
「あんたら、タラゴナの人だろ? そっかー、そっちにまで噂は広まっているのか」
「えぇ……」
イヴェリンは目を伏せて見せる。この先はイヴェリンの演技力にかかっているのだなぁとアイラは他人事のようにことの成り行きを見守るつもりになっていた。
「あはは、セシリー様はそんなことはしないよ。あの方には貴族階級の人たちも世話になってるからねー。たぶん、お偉いさんたちがお金を出しているんじゃないか?」
物凄く失礼なアイラの言い分にもケヴィンは腹をたてず、全部説明してくれた。話がうまく教団にいったところで、イヴェリンが泣き落としにかかる。
「……セシリー様というのは、死者の声を聞かせてくれるのだそうですね」
「あんたら、タラゴナの人だろ? そっかー、そっちにまで噂は広まっているのか」
「えぇ……」
イヴェリンは目を伏せて見せる。この先はイヴェリンの演技力にかかっているのだなぁとアイラは他人事のようにことの成り行きを見守るつもりになっていた。