後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
アイラが地図を買って戻ってきた頃、部屋には新しい客人が増えていた。
「相部屋だってよ!」
「……女性と相部屋か。紳士的な振る舞いを約束するので、今夜一晩我慢してもらいたい」
「二人とも、室内でまで猿芝居はやめろ」
「だってー、どこで誰が聞いているかわからないじゃないですか」
フェランとライナスが同じ部屋に案内されていた。混み合う時期には、相部屋というのもよくある話だとは聞いているが、この二人どうやって同じ部屋に潜り込んだのだろう。
「いや、美人さんと一緒がいいなーって言ったら、ここに連れてきてくれたぞ?」
「むさ苦しい男と同室は嫌だといったんだろうが」
フェランの言葉をライナスは思いきり否定した。それから、声をひそめて、イヴェリンに言う。
「宿の部屋全体が埋まっているのは事実です。隣町の祭りに参加する者が多いのでしょうね。一晩、ご容赦ください」
「戦場ではテントすらないところでごろ寝だろうが。アイラ、お前は一番窓側のベッドだ。フェランは一番扉側。ライナスとわたしが間を使う」
「相部屋だってよ!」
「……女性と相部屋か。紳士的な振る舞いを約束するので、今夜一晩我慢してもらいたい」
「二人とも、室内でまで猿芝居はやめろ」
「だってー、どこで誰が聞いているかわからないじゃないですか」
フェランとライナスが同じ部屋に案内されていた。混み合う時期には、相部屋というのもよくある話だとは聞いているが、この二人どうやって同じ部屋に潜り込んだのだろう。
「いや、美人さんと一緒がいいなーって言ったら、ここに連れてきてくれたぞ?」
「むさ苦しい男と同室は嫌だといったんだろうが」
フェランの言葉をライナスは思いきり否定した。それから、声をひそめて、イヴェリンに言う。
「宿の部屋全体が埋まっているのは事実です。隣町の祭りに参加する者が多いのでしょうね。一晩、ご容赦ください」
「戦場ではテントすらないところでごろ寝だろうが。アイラ、お前は一番窓側のベッドだ。フェランは一番扉側。ライナスとわたしが間を使う」