後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
しれっとして、ジェンセンは自分の魔力を認めた。アイラは、始めてみる父の表情に、事態の重大性を改めて思い知る。
「わたしは乗ってもいいですよ、エリーシャ様。たぶん、カーラも手を貸してくれるんじゃないかな――皇帝陛下の勅命をいただければ、ですが」
黙って話を聞いていたベリンダが口を挟む。
「――おじいさまの勅命、ね。どうかしら……」
「あともう一人」
ジェンセンが指を一本立てた。
「もう、一人――誰よ?」
タラゴナ帝国内の実力者はほとんど宮廷魔術師として宮中にいる。ここに名前の挙がっていない魔術師の中から誰を選ぶのかが問題だ。
「ユージェニー・コルス」
「冗談でしょ?」
エリーシャは眉を跳ね上げた。ユージェニーは、確かにすばらしい腕の持ち主だが、エリーシャを殺そうとした張本人でもある。
「冗談じゃないですよ、エリーシャ様」
ジェンセンはまじめな表情を作った。
「わたしは乗ってもいいですよ、エリーシャ様。たぶん、カーラも手を貸してくれるんじゃないかな――皇帝陛下の勅命をいただければ、ですが」
黙って話を聞いていたベリンダが口を挟む。
「――おじいさまの勅命、ね。どうかしら……」
「あともう一人」
ジェンセンが指を一本立てた。
「もう、一人――誰よ?」
タラゴナ帝国内の実力者はほとんど宮廷魔術師として宮中にいる。ここに名前の挙がっていない魔術師の中から誰を選ぶのかが問題だ。
「ユージェニー・コルス」
「冗談でしょ?」
エリーシャは眉を跳ね上げた。ユージェニーは、確かにすばらしい腕の持ち主だが、エリーシャを殺そうとした張本人でもある。
「冗談じゃないですよ、エリーシャ様」
ジェンセンはまじめな表情を作った。