後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
べリンダは部屋の隅に陣取り、アイラはお茶の用意をしてテーブルに着く。
「我が家にセシリー本人がいたのは事実のようです――わたしは別邸の方にいると思い込んでいたのですが。わたしの記憶も使用人たちの記憶もとびとびで、それらの記憶をつなぎ合わせての推測ですが、間違いないでしょう」
そう切り出したダーシーの口調は重かった。エリーシャは首を傾げて彼を見る。
「……亡くなった人たちは?」
「ダーシー様、それはわたしから説明した方がよさそうだ」
隅に控えていたべリンダがわずかに身を乗り出す。
「恐らく、クリスティアン様の件にも関わってくることでしょう」
口調を変えたべリンダの言葉に、エリーシャは唇を噛んでうつむく。けれどそれは一瞬のことで、すぐに表情を変えて顔を上げた。
「続けてちょうだい」
エリーシャの声音に含まれる決意を感じ取って、思わずアイラの背も伸びた。
「我が家にセシリー本人がいたのは事実のようです――わたしは別邸の方にいると思い込んでいたのですが。わたしの記憶も使用人たちの記憶もとびとびで、それらの記憶をつなぎ合わせての推測ですが、間違いないでしょう」
そう切り出したダーシーの口調は重かった。エリーシャは首を傾げて彼を見る。
「……亡くなった人たちは?」
「ダーシー様、それはわたしから説明した方がよさそうだ」
隅に控えていたべリンダがわずかに身を乗り出す。
「恐らく、クリスティアン様の件にも関わってくることでしょう」
口調を変えたべリンダの言葉に、エリーシャは唇を噛んでうつむく。けれどそれは一瞬のことで、すぐに表情を変えて顔を上げた。
「続けてちょうだい」
エリーシャの声音に含まれる決意を感じ取って、思わずアイラの背も伸びた。