後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
魔術師たちのあれこれ
「ユージェニー……お前、めちゃくちゃやってくれたな」
カーラを床に座らせて、ジェンセンはアイラに書かせた魔方陣に目を落とした。ユージェニーのかけた術が解けたのか、元のように床に魔方陣が描かれている。
「なかなかやるなって誉めてほしかったのに」
「あほう。呪文一つで魔方陣の飛び先冥界に変更するわ、地獄の番人呼び出すわ――見ろ、床が焦げてるじゃねーか。どんだけ負荷かけてるんだ」
「何よー、あなただって外への脱走ルートの確保と、陣内にいる人間の拘束と二つの魔術を一つの魔方陣に仕込んでたじゃないの!」
「それを勝手に書き換えるなっ!」
顔を突き合わせるなり、ユージェニーとジェンセンは激しくやり合う。
「わたしはごめんだよ、こんなの。あんたらと同じ水準のことをやれって言われても無理だからね」
ぐったりしたべリンダは、床に座って壁に頭を預けた。完全に疲れ切っているようで、そのまま目を閉じてしまう。
「エリーシャ様、ご無事で何よりです。申し訳ありませんでした」
真面目な顔になったジェンセンは、エリーシャに向かって頭を下げた。
カーラを床に座らせて、ジェンセンはアイラに書かせた魔方陣に目を落とした。ユージェニーのかけた術が解けたのか、元のように床に魔方陣が描かれている。
「なかなかやるなって誉めてほしかったのに」
「あほう。呪文一つで魔方陣の飛び先冥界に変更するわ、地獄の番人呼び出すわ――見ろ、床が焦げてるじゃねーか。どんだけ負荷かけてるんだ」
「何よー、あなただって外への脱走ルートの確保と、陣内にいる人間の拘束と二つの魔術を一つの魔方陣に仕込んでたじゃないの!」
「それを勝手に書き換えるなっ!」
顔を突き合わせるなり、ユージェニーとジェンセンは激しくやり合う。
「わたしはごめんだよ、こんなの。あんたらと同じ水準のことをやれって言われても無理だからね」
ぐったりしたべリンダは、床に座って壁に頭を預けた。完全に疲れ切っているようで、そのまま目を閉じてしまう。
「エリーシャ様、ご無事で何よりです。申し訳ありませんでした」
真面目な顔になったジェンセンは、エリーシャに向かって頭を下げた。