後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
「皇女宮を出て、そこに移ろうと思うの。療養ってことでどうかしら」
「女帝の槍はどうなりますの?」
「ユージェニー、あなたは黙ってなさい。報酬はちゃんと払うわよ。タラゴナ皇家の者は約束は守るんですからね!」
エリーシャは話に割って入ろうとしたユージェニーを邪険に押しやった。
「あの、エリーシャ様」
恐る恐るアイラは口を挟んだ。
「皇女宮を出て、領地に移るって――皇位継承権はどうなさるんですか?」
「セルヴィスに譲るわ……というか、預けておくわ。それで、おばあ様も少しは安心するでしょ。安心はするだろうけれど……暗殺者を送り込まれない保証もないし、クリスティアンも敵に回ったわけだから――」
そこでエリーシャは黙ってしまった。表情が崩れるのを恐れているかのように唇をぎゅっと結ぶ。けれど、見事なまでの自制心ですぐに立て直した。
「女帝の槍はどうなりますの?」
「ユージェニー、あなたは黙ってなさい。報酬はちゃんと払うわよ。タラゴナ皇家の者は約束は守るんですからね!」
エリーシャは話に割って入ろうとしたユージェニーを邪険に押しやった。
「あの、エリーシャ様」
恐る恐るアイラは口を挟んだ。
「皇女宮を出て、領地に移るって――皇位継承権はどうなさるんですか?」
「セルヴィスに譲るわ……というか、預けておくわ。それで、おばあ様も少しは安心するでしょ。安心はするだろうけれど……暗殺者を送り込まれない保証もないし、クリスティアンも敵に回ったわけだから――」
そこでエリーシャは黙ってしまった。表情が崩れるのを恐れているかのように唇をぎゅっと結ぶ。けれど、見事なまでの自制心ですぐに立て直した。