後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
「皆、よく聞いて。わたしは皇位継承権をセルヴィスに譲って、後宮を出る。アディリアからなら、ダーレーン側の動きも、ここにいるよりは調べやすいでしょう。イリアとファナは、実家に戻りなさい……あなたたちは、わたしと一緒にいるより、離れていた方が安全だと思う」
何か言いたそうに口を開きかけたファナをイリアが制した。
「皇宮にお帰りの時には、もう一度お仕えさせてくださいませ」
イリアのその言葉に、ファナも同意したようだった。
「アイラ、あなたは一緒に来てもらうわよ。ジェンセンの娘である以上、あなたが狙われる可能性は否定できない。結界に守られた場所にいた方が安全だし――」
「いざという時の影武者も必要でしょう、エリーシャ様? 言われなくてもついていきます」
アイラの口から出た言葉にエリーシャは驚いたようだった。そう口にしたアイラ自身も驚いていたのだけれど。
まさか自分がエリーシャの身代わりを買って出ることになるとは思ってもみなかった。死者を相手に戦った時、あれほど怖いと思っていたのに。
視線に気が付いて顔をそちらに向けると、何故かジェンセンがとても満足げな顔をしてこちらを見ている。妙に面映ゆくなって、アイラはつんと顔を反らした。
何か言いたそうに口を開きかけたファナをイリアが制した。
「皇宮にお帰りの時には、もう一度お仕えさせてくださいませ」
イリアのその言葉に、ファナも同意したようだった。
「アイラ、あなたは一緒に来てもらうわよ。ジェンセンの娘である以上、あなたが狙われる可能性は否定できない。結界に守られた場所にいた方が安全だし――」
「いざという時の影武者も必要でしょう、エリーシャ様? 言われなくてもついていきます」
アイラの口から出た言葉にエリーシャは驚いたようだった。そう口にしたアイラ自身も驚いていたのだけれど。
まさか自分がエリーシャの身代わりを買って出ることになるとは思ってもみなかった。死者を相手に戦った時、あれほど怖いと思っていたのに。
視線に気が付いて顔をそちらに向けると、何故かジェンセンがとても満足げな顔をしてこちらを見ている。妙に面映ゆくなって、アイラはつんと顔を反らした。