後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
後宮にはあちこちの国の女性がおさめられていると聞く。皇帝がどこの国の女性に伽を命じていようがアイラの知ったことではないから、今まで気にしたこともなかった。
後宮内ならどうなのかわからないが、後宮の外にまで女性たちの素性についての情報が流れてくることは少ないということもある。
「そう、彼女はダーレーンの出身なの」
ダーレーンとは、タラゴナ帝国と国境を接する国だ。今のところは、互いの関係はうまくいっているはずだ。国境の侵犯などを犯しているわけでもないし、交易もさかんに行われている。
「わたしの母は、タラゴナ国内の出身――これがどういうことかわかる?」
「うぅん……」
アイラ程度の頭で考えつくことなど一つしかない。
「セルヴィス殿下が後宮内で権力を持てば、ダーレーンに有利にいろいろできるってことですか?」
「半分正解」
エリーシャは肩をすくめた。
「わたしを廃して、セルヴィスを即位させたいんでしょうよ――この国の皇位は男女関係なく生まれた順が基本だしね」
後宮内ならどうなのかわからないが、後宮の外にまで女性たちの素性についての情報が流れてくることは少ないということもある。
「そう、彼女はダーレーンの出身なの」
ダーレーンとは、タラゴナ帝国と国境を接する国だ。今のところは、互いの関係はうまくいっているはずだ。国境の侵犯などを犯しているわけでもないし、交易もさかんに行われている。
「わたしの母は、タラゴナ国内の出身――これがどういうことかわかる?」
「うぅん……」
アイラ程度の頭で考えつくことなど一つしかない。
「セルヴィス殿下が後宮内で権力を持てば、ダーレーンに有利にいろいろできるってことですか?」
「半分正解」
エリーシャは肩をすくめた。
「わたしを廃して、セルヴィスを即位させたいんでしょうよ――この国の皇位は男女関係なく生まれた順が基本だしね」