後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
やっぱり押しつけてますよね、皇帝陛下!
エリーシャが、政治学の授業に行っている間、アイラはイリアとファナと侍女たちの控え室にいた。
エリーシャは侍女たちには寛容だったから、戻ってくるまではのんびりしていてかまわない。
「ええっ! フェラン様に誘われたの? いいなぁ」
数種類のオレンジの果汁をたらした水を手に、ファナが嘆息する。
「非番の日に誘うってそれ、かなり好意があるってことよね?」
「違うと思う」
二度、誘われたのは事実だけれど。
「あの人、女なら誰でもいいってエリーシャ様が言ってたもの」
「わたし、誘われてない――誰でもいいなら誘って欲しかった!」
ファナが不満げな声を上げた。
「あなたが侍女である以前に貴族だからでしょ」
冷静にイリアが指摘する。
アイラが首を傾げると、
エリーシャは侍女たちには寛容だったから、戻ってくるまではのんびりしていてかまわない。
「ええっ! フェラン様に誘われたの? いいなぁ」
数種類のオレンジの果汁をたらした水を手に、ファナが嘆息する。
「非番の日に誘うってそれ、かなり好意があるってことよね?」
「違うと思う」
二度、誘われたのは事実だけれど。
「あの人、女なら誰でもいいってエリーシャ様が言ってたもの」
「わたし、誘われてない――誰でもいいなら誘って欲しかった!」
ファナが不満げな声を上げた。
「あなたが侍女である以前に貴族だからでしょ」
冷静にイリアが指摘する。
アイラが首を傾げると、