後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
「下手に貴族の娘になんて手を出してごらんなさいな。結婚まで押し進められることになるでしょ――」
「……ああ、そう言えばそうね」
ファナとイリアは親戚同士で、地方から行儀見習いのために皇宮に入れられた娘たちだった。
「その点、アイラは――その、こういう言い方って申し訳ないんだけど――平民の出でしょ……」
「なるほどね」
申し訳なさそうに言うイリアの言葉で納得した。
「要は後腐れなく遊べそうだ、と。こういうことね――おまけにうるさい父親もいないしね」
裏があると言うよりお手軽に遊べると思われたというわけか! 彼の誘いにはぜったい乗らないようにしよう。
今日は、皇帝が後宮の住民一同を呼び集めての会食を行うと指示されていた。授業から戻ってきたエリーシャは、会食の場に向かうための支度を調える。
スカートを流行より細身に仕立てた青いドレスは、彼女の目の色を引き立てている。
それに白いショールを合わせて、髪は高々と結い上げた。耳と首にダイヤモンドをつけて、指に金の指輪を一つ。
「……ああ、そう言えばそうね」
ファナとイリアは親戚同士で、地方から行儀見習いのために皇宮に入れられた娘たちだった。
「その点、アイラは――その、こういう言い方って申し訳ないんだけど――平民の出でしょ……」
「なるほどね」
申し訳なさそうに言うイリアの言葉で納得した。
「要は後腐れなく遊べそうだ、と。こういうことね――おまけにうるさい父親もいないしね」
裏があると言うよりお手軽に遊べると思われたというわけか! 彼の誘いにはぜったい乗らないようにしよう。
今日は、皇帝が後宮の住民一同を呼び集めての会食を行うと指示されていた。授業から戻ってきたエリーシャは、会食の場に向かうための支度を調える。
スカートを流行より細身に仕立てた青いドレスは、彼女の目の色を引き立てている。
それに白いショールを合わせて、髪は高々と結い上げた。耳と首にダイヤモンドをつけて、指に金の指輪を一つ。