愛しのケダモノ王子
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「あきら、帰りにスタバ寄ってかない?」
「うん」
授業が終わり、私は亜由子と大学を後にした。
「二日酔いは?もう平気?」
「うん、だいぶマシ」
「そ、なら良かった」
その時、私の携帯が鳴った。
メールの受信を知らせるもので、見知らぬアドレスからのものだった。
件名:保でーす(*^^*)
本文:あきら、今日ちゃんと大学行けた?
お前俺んちにネックレス忘れてったろ?
今あきらの大学の近くに来てるんだけど、持ってきたからちょっと会える?
「なっ…?!」
メールを読んで思わず声が出た。
なんでアイツが私のアドレスを知ってるのだ。
大学入ってすぐ携帯変えたのに……
「あれ、あきら…」
亜由子がふと立ち止まる。
その視線の先を見ると、大学の校門のところに羽山が立っていた。
私の姿に気付くと、嬉しそうに駆け寄ってくる。
「あきら!良かった!今ちょうどメールしたとこだったんだ」
「な、な、なんで……」
なんで羽山がここにいるのだ。