片思い【超短編】
~礼儀正しい君~

あの日あたしは日直だった。

日直のあたしは、色んな紙を配っていた。

普通なら、面倒くさいって思うけど、

あたしにとってはラッキーにすぎない。

君は1番前の席。

だから近くで君が見える。

でもあたしはトロくて、

紙を配るのにとろとろと配っていた。

当然みんなイラついて、

パッと紙をとって、さっさと後ろに

回していた。

でも、君は少しちがった。

とろとろとあたしがやっているのに

君はイラつきもしなかったよね。

「ありがと」

って言ってくれたよね。

それは、あたしにとってとっても嬉しい

言葉だったんだよ。

それが、礼儀正しい君の出来事。
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