ストロベリーミルク
私の心はまたもや大きく傾いた


やっぱりステキ


「あっあの」

カウンターに戻ろうとした男が振り返った

「なにか?」

「あの…あなたお名前は?」

「知りたい?」

ニヤッと意地悪そうに笑う男に再び顔を赤くしてしまった

私は何も言わず頷いた

「君の名前は?」

「私は…涼子」

「そっか涼子ちゃんか」

男は私の傍まで来ると顔を近づけてきた

ドキッとする私をよそに男は私の顔を通り越し耳元で止まった

そして囁くようにこう言った


「俺の名前は…ジプシー」


そう言うとニッコリ微笑んでカウンターに戻っていった
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