青空の下へーその手に願いを込めてー
この病院には個室が多く、私やちよちゃんも個室患者です。

風の音意外は何もしない静かな空間に一歩踏み出すと、ベッドの上で窓の方を見ていた女の子がこちらを振り向いた。

「……なんですか」

私に向けられる視線は、冷ややかな目線……ではなく、感情のない目だった。

「……私に、何か用ですか」

彼女が大人びて見えるのは、何かを諦めたような目がそこにあるから。

私はそう感じました。
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