青空の下へーその手に願いを込めてー
「バレちゃあしょうがないね」

すると、いきなり病室のドアが開き、先生が花瓶を片手に入ってきた。

驚くちよちゃん。

そんなちよちゃんから、チューリップを受け取り、水の入った花瓶にさしてから窓辺に置く。

「根元を切っただけだから、早くしおれちゃうからね。こうしていれば、しばらくは元気だよ」

そう言い、眼鏡の奥でにっこり笑う。
< 58 / 102 >

この作品をシェア

pagetop