青空の下へーその手に願いを込めてー
私には、声をかけてあげることも出来ずに、ただ自分の無力さを痛感するだけで……。

チューリップも良かれと思ってプレゼントしたのに、それがいろいろ思い出すきっかけにもなってしまって……。

……だめだ、なんか私まで泣いてしまいそうで……

私がうつむいたその時、

「ちよちゃん」

温かい先生の声がした。

「……?」

ちよちゃんはきょとんとして先生の方を見る。

私もどうしたのかと思って先生を見る。

先生はこちらを見てふっと頬を緩めてから、ちよちゃんの方を見た。

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