青空の下へーその手に願いを込めてー
その後、病棟まで上がってきたパパとママに、ちよちゃんは点滴が外れそうな勢いで抱きつき、それを先生が笑いながら注意した後、私と先生はこっそりと部屋を出ようとした、その時、


「お姉ちゃん!先生!」

ちよちゃんが私達を呼んだ。

それから、満面の笑みでこう続けた。


「ありがとう!」




そこに、悲しい涙はひとつも無かった。
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