青空の下へーその手に願いを込めてー

……ふわり

先生の温かな手が私の頭の上に置かれる。

「ごめんね、本当は音羽ちゃんも、ちよちゃんが泣くのを見るのは嫌だったよね」

「いえ……そんな…」

正直、あの時とても悲しくなった。

でも、あまりにも先生がさみしそうに言うので、肯定してしまうと先生を傷つけてしまいそうで、言えなかった。

「………そっか、それならいいんだ」

……ありがとう。

そう言いながら頭から温かな手がはなれていく。
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