青空の下へーその手に願いを込めてー
あ、またです…。

また、あの苦しいような、温かい感情が流れてきた。

明原先生の声と笑顔は、私の中の不安や、もやもやを溶かしていくような効果があるみたいです。

「み、御影音羽です。ここに入院してから、三年くらいたちます」

少し、噛みそうになって、慌てて私はうつむいた。

「じゃあ、音羽ちゃんは高校二年生なんだね」

「一応、そういうことには、なっていますね…ご覧の通り、学校には行けてませんが」

普通に笑おうとしても、上手くいかない。
どうしても、泣き笑いのような顔になってしまいます。

「そんな悲しそうな笑顔をしないで、ほら、笑顔は、心からあふれるものだよ。僕の前では作り笑顔はしなくていいの」

そういって、先生はまた笑顔をこぼす。

なんだか、この先生は、私の中の何かを変えてくれる気がする。
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