青空の下へーその手に願いを込めてー
どこかで聞いたような気がするその言葉は…

「あの時……起きてたんですか…?」

そう、その言葉は、先生が食中毒になって私が病室を訪れた時に聞いた言葉とそっくりだった。

あの時、腕をさわられたり、頭をぽんぽんってされたことを思い出して、顔が熱くなる。

すると先生は何を思ったのか、

「ああ、そういえば音羽ちゃんの診察結果の紙、いつの間に誰が持ってきてくれたんだろうと思ったら、音羽ちゃん自身が持ってきてくれたんだ」

ありがとう、とふんわりした笑顔を見せる。

もし、あの時に先生が自分の意思でそうしているのだとしたら……なんて、恥ずかしさと共に少し期待なんかしちゃったり…。

なんて思ってましたが、やっぱ寝てましたよね。

よかった……ほんとに自分の意識であんなことをしていたのなら、恥ずかしくて顔も見れなくなってしまいます…。
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