青空の下へーその手に願いを込めてー
私よりも高い背丈、男性っぽい肩幅、学校の夏制服らしい白シャツの胸元には、シルバーアクセサリーがジャラッと光る。

そして、上のほうへ目をやると…まぶしい金髪。

「ここの近くにある高校の三年生、いたって怪しいもんじゃないって」

そういうことを自分からいう人ほど怪しいと思います。

「あの…、私に何か用ですか…?」

私はなるべく目を合わせないようにして問いかける。

「わー、俺、傷ついちゃうんですけどー。そんな俺怖いかなぁ?」

そう言いながら、金髪さんは自分の髪をかきあげ、ニカッと歯を見せて笑う。

「かっこいいだろ?この色」

いえ、そこが一番怖いんですけど……って言ったら怖そうなので、私はコクコクと急いでうなづく。
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