青空の下へーその手に願いを込めてー
私の反応が気に入ったのか、金髪さんはニカッともう一度笑う。

と、その時、どこからかアラーム音が鳴った。

「あ、俺だ……うわ、やっべ、昼休み終わる!」

金髪さんがポケットからスマホを取りだし、時間を確認するやいなや、焦った声を出した。

「昼休み……」

「そ、出会って早々悪いけど、俺、学校帰んなきゃ、ごめんな!」

金髪さんが廊下を走りながら後ろを向き、私に手を振る。

さすが高校生男子。速いです。

金髪さんが廊下を曲がり、見えなくなったところで、私は息をついた。

それは、警戒してた気持ちが緩んだのと、もうひとつ、

「昼休み、かぁ……」
< 95 / 102 >

この作品をシェア

pagetop