本気で大好きでした。
「これ食べて元気だしなよ」
彼方が、制服のポケットを探って出したもの
いちごみるくをふたつ。
普通に売ってるのと、変わらないのに
彼方からもらったってだけで、特別だった
一つをブレザーのポケットにしまって
もう一つを口に入れた
この懐かしい甘さと
彼方の温もり
それだけで心が妙に落ち着いた。
「彼方……先かえっていいよ。あとどれくらいかかるかわかんないから…」
「わかった。またな」
お母さんの病室にもう一度向かった。
お父さんと那緒だけになっていた。
「お母さん… ごめんね。
あたしが無理にでも仕事休ませてたら…
お母さん、ごめんね。ありがとう…」
那緒……