本気で大好きでした。

「那緒、理緒…… お父さんのせいでたくさん苦労かけたな。すっごく悩んだりもしたよな…
本当にごめんな…」


そう言って泣いているお父さんは

あたしと那緒の手をやさしく握った。


お父さん

てっきり家族を捨てたと思ってた


なのに、こんなに泣いて……


ねえ、お父さん。

なんでお父さんはいなくなったの?



「じゃあお父さん、行かなきゃいけないから。ゆっくり話しような」


そう言って出て行ったお父さん。


「理緒、あたし遅くなると思うけど…
今日はどうするの?」

「家帰ろうと思ったんだけど… なんか力入んなくって。」

「まだ鍵持ってるでしょ?それ、理緒が持ってていいから…。もう、かえって寝てなよ…」

「ありがと、那緒」
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