ティーチ?
「このタオル、1度家に持ち帰って洗いたいから、返すの明日以降でもいい?」
「あっ、いえそんなそのままでも別に……っ」
「いやいや、そういうわけにはいかないでしょ」
がっつり顔拭いちゃったしねーと言って、鎌田先輩はひらひらと右手を振る。
完全に引く気のないその様子に、私は渋々うなずいた。
「それじゃあ、お願い、します」
「うん。……っと、そろそろ昼休み終わる時間だね」
スラックスのポケットからケータイを取り出した先輩が、画面を確認しながらそう話す。
それを聞いて、私もあわてて自分のケータイを見た。
確認してみると、たしかに今の時刻は予鈴が鳴る数分前だ。
「わわっ、ほんとだ……っ」
「ね。そろそろ教室戻らないと」
「はい!」
じゃあ俺、あっちに友達がいるからまたね。
そう言って先輩は、にこやかに手を振りながらグラウンドの方向に駆けて行った。
残された私はというと、先輩の後ろ姿が見えなくなったところで堪らずその場にしゃがみ込む。
「ど、どうしよう私……っ!」
名前、呼んでもらえた。
『またね』だって。
『かわいい』だって。
《──よろしくね、サチちゃん》
先輩と、ハグしちゃったよー……!
「あっ、いえそんなそのままでも別に……っ」
「いやいや、そういうわけにはいかないでしょ」
がっつり顔拭いちゃったしねーと言って、鎌田先輩はひらひらと右手を振る。
完全に引く気のないその様子に、私は渋々うなずいた。
「それじゃあ、お願い、します」
「うん。……っと、そろそろ昼休み終わる時間だね」
スラックスのポケットからケータイを取り出した先輩が、画面を確認しながらそう話す。
それを聞いて、私もあわてて自分のケータイを見た。
確認してみると、たしかに今の時刻は予鈴が鳴る数分前だ。
「わわっ、ほんとだ……っ」
「ね。そろそろ教室戻らないと」
「はい!」
じゃあ俺、あっちに友達がいるからまたね。
そう言って先輩は、にこやかに手を振りながらグラウンドの方向に駆けて行った。
残された私はというと、先輩の後ろ姿が見えなくなったところで堪らずその場にしゃがみ込む。
「ど、どうしよう私……っ!」
名前、呼んでもらえた。
『またね』だって。
『かわいい』だって。
《──よろしくね、サチちゃん》
先輩と、ハグしちゃったよー……!