ティーチ?
「あっ、そうだ先生、」

「ん?」



突然声をあげた篠岡さんは、今度は足元に置いていたかばんの中をごそごそと探り始めた。

首をかしげながら、その様子を見守っていると。



「はいっ先生!」



目の前に差し出されたのは、かわいらしくリボンが施された包み。

思わず、きょとんと目をまるくする。



「え?」

「これ、さっき言ってたクッキーです。先生にもどうぞ!」



言いながら、半ば無理やり手に持たされて。

だけど俺は戸惑ったように、その包みと彼女の顔を見比べた。



「え、僕に? もらっちゃっていいの?」

「はい! だって私、宮内先生にいっつもお世話になってるし……」



そう言って彼女は、照れくさそうに笑う。



「本当は、こんなのじゃ全然足りないんだけど……私の気持ち、です」

「……ッ、」
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