ティーチ?
―――――――
――――
「篠岡さん、今日も俺の授業中、爆睡してたでしょう」
にっこり。そんな擬音がピッタリな笑顔を浮かべて、椅子に座っていた宮内先生は私を振り向いた。
――もう何回訪れたかわからない、いつもの、社会科準備室。
漂うのは、ブラックコーヒーと……私の好みに合わせて先生が置いてくれた、キャラメルフレーバーの紅茶の香り。
私は一瞬ぎくりとしながらも、何でもないふうを装って、持っていた紅茶に口をつけた。
「さ、さあ……なんのことだかさっぱり……」
「……うん、篠岡さんはアレなのかな。俺にケンカ売るために、わざと居眠りしてるのかな」
やはりニコニコ、笑みを浮かべながらの言葉に、私は慌てて。
「ちっ、違いますよ……!」と弁解を試みる。
「えと、あの、なんか、……宮内先生の声聞いてると、自然に眠く……」
「ハイ、篠岡さんさらにマイナス5点ー。先生の心は深く傷つきましたー」
「えええぇぇええ??!」
あっさりと鬼畜なせりふが飛んできて、私は思わず悲痛な声をあげた。
がっくりうなだれる私を横目に、先生はなんだか日誌みたいなものを眺めながら……どこか楽しげな様子で、また口を開く。
「えーっと、今までの君のポイントは、マイナス96点。あと4点引かれると、マイナス100点だね」
「……マイナス100点になったら、どうなるんですか?」
おそるおそる、訊ねた私に。
「うーん、そうだなぁ、」
先生は、わざとらしくあごに手をあてて。
どこかイタズラをする子どものような笑顔で、私を振り返った。
「そのときはおとなしく、先生のものになってもらいます」
「――!!」
……もしかしたら、私が“先生のもの”になるその日は、
もうすぐそこまで、迫っているのかも、しれない。
/END?
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「篠岡さん、今日も俺の授業中、爆睡してたでしょう」
にっこり。そんな擬音がピッタリな笑顔を浮かべて、椅子に座っていた宮内先生は私を振り向いた。
――もう何回訪れたかわからない、いつもの、社会科準備室。
漂うのは、ブラックコーヒーと……私の好みに合わせて先生が置いてくれた、キャラメルフレーバーの紅茶の香り。
私は一瞬ぎくりとしながらも、何でもないふうを装って、持っていた紅茶に口をつけた。
「さ、さあ……なんのことだかさっぱり……」
「……うん、篠岡さんはアレなのかな。俺にケンカ売るために、わざと居眠りしてるのかな」
やはりニコニコ、笑みを浮かべながらの言葉に、私は慌てて。
「ちっ、違いますよ……!」と弁解を試みる。
「えと、あの、なんか、……宮内先生の声聞いてると、自然に眠く……」
「ハイ、篠岡さんさらにマイナス5点ー。先生の心は深く傷つきましたー」
「えええぇぇええ??!」
あっさりと鬼畜なせりふが飛んできて、私は思わず悲痛な声をあげた。
がっくりうなだれる私を横目に、先生はなんだか日誌みたいなものを眺めながら……どこか楽しげな様子で、また口を開く。
「えーっと、今までの君のポイントは、マイナス96点。あと4点引かれると、マイナス100点だね」
「……マイナス100点になったら、どうなるんですか?」
おそるおそる、訊ねた私に。
「うーん、そうだなぁ、」
先生は、わざとらしくあごに手をあてて。
どこかイタズラをする子どものような笑顔で、私を振り返った。
「そのときはおとなしく、先生のものになってもらいます」
「――!!」
……もしかしたら、私が“先生のもの”になるその日は、
もうすぐそこまで、迫っているのかも、しれない。
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