優しい涙
優奈は
テレビを見ていたようで
顔だけこちらに向けて
「いらっしゃい」と言った。
『おう...ここ座ってもいいか?』
「いいよー」
俺はテレビの方に
椅子を置き座った。
手持ち無沙汰でやることもなかった
俺は優奈をぼんやりと見ていた。
優奈は気を使ったのか今まで
見ていたテレビを消した。
『えっ、テレビ見てていいぞ?』
「別にいいよ。そんな真剣に見てないし」
『...』
「ん?」
『んー、わかった。
あっ、お前飯食った?』
「食欲ない。でも、
ご飯食べてないと
雄大に怒られるから
栄養ジュースは飲んだよ」
『おっ、なら安心だな』
「でしょー」