色褪せた天使【完】
「音葉が居たいなら、
ずっと居ればいい。」
ほら…ね?
私はその言葉に
甘えてしまうかもしれないよ?
でも、
時の流れが違う私達には、
遅かれ早かれ
別れが訪れるんだ。
「ははは、愛輝は優しいね。
さっきのは冗談だよ」
私はその言葉に
甘えることはできない。
別れは早い方が、
立ち直る時間が
たくさん作れるでしょ?
愛輝がいつか、
普通の人間の女の子と
恋をして、
結ばれて、
幸せになってくれたら
私の胸に抱えた痛みも
少しは和らぐでしょう?
明日、
アナタが目覚める前に、
この場所を出よう。