色褪せた天使【完】



「あ…はい、一応…」



私は現状が掴めず、

曖昧な返事をした。




「よかった…。

こんな寒い日に、

ワンピース一枚の
女の子が落ちてきたから…」




どことなく、安心した声色。


彼の顔からは
あまり感情が読めない。




「アナタが助けてくれたの?

ありがとう…

ご迷惑おかけしました。
じゃあ私、もう出ますね」




せっかく助けてくれた人に

あまり迷惑はかけたくない。



私は出て行こうと、

ベッドから出て立ち上がった。




一歩進もうとした瞬間。


膝がカクッと音をたて、
私の体は

バランスを崩した。




「あ…!」
「危ない!」



少年が、
私を受け止めてくれたおかけで、


私は怪我をせずに済んだ。




(また…助けられてしまったな…)





< 3 / 12 >

この作品をシェア

pagetop