色褪せた天使【完】
「あ…はい、一応…」
私は現状が掴めず、
曖昧な返事をした。
「よかった…。
こんな寒い日に、
ワンピース一枚の
女の子が落ちてきたから…」
どことなく、安心した声色。
彼の顔からは
あまり感情が読めない。
「アナタが助けてくれたの?
ありがとう…
ご迷惑おかけしました。
じゃあ私、もう出ますね」
せっかく助けてくれた人に
あまり迷惑はかけたくない。
私は出て行こうと、
ベッドから出て立ち上がった。
一歩進もうとした瞬間。
膝がカクッと音をたて、
私の体は
バランスを崩した。
「あ…!」
「危ない!」
少年が、
私を受け止めてくれたおかけで、
私は怪我をせずに済んだ。
(また…助けられてしまったな…)