とべない鳥
目が覚めた時に真っ白な天井と泣いてる顔の肌の白い男
顔がぐしゃぐしゃと言うのは正にこの事かと思った
「お前、何してんだよ!!」
泣きながら言った男
『寝てるけど?』
普通に答えた私
「何で飛び降りたんだよ!?」
『あんたが心臓くれっつったんじゃん』
黙る男
『つか、邪魔』
男を退して、体を起こした
体中が痛い
全身に所々包帯が巻かれてた
そりゃ痛いわなと冷静に思った
『あんた、何泣いてんの?みっともない』
「お前が心配だったんだよ、俺お前止めようとしたのに」
涙が止まる気配がない男
『他人心配する必要ないじゃん』
私がそう言うと男に肩を掴まれた
「他人だろうと誰かが死ぬのは嫌なんだよ!!」
怒鳴られた
『そりゃ良かったね、残念ながら生きてるよ』
「残念じゃねぇよ!!生きてる事がどんだけ幸せか!!」
さらに怒鳴る男
『うっさいんだけど』
男を睨んで言った
その時にガラッと部屋のドアが開いた
「かな!!」
母親が走って入って来た
私も男も母親を見ていた
「声が聞こえて来て…」
母親が話しながら近寄ってくる
「良かったぁ」
言葉と共に母親に抱き締められた
『母さん?』
「目が覚めなかったらって…」
泣いてる母を見たのは2度目だった
母親が私を離し、男を見た
「ありがとうね」
母親が男に言った
「いえ、じゃこれで」
男は母親に頭を軽く下げて部屋から出て行った
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