君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
送信をした後も、アイツからの返信はすぐに帰ってこなくて。
一階に顔を出して咲空良さんの朝食を胃袋におさめると、
そのまま昨日のLIVEの映像を反省会をするように再生して確認していく。
せっかくの休みになってもアイツの居ない休暇は何もやることがなくて、
こんな風にAnsyal絡みのことをして時間を潰す。
2時間のステージの確認を終えた頃、
ようやく待ち続けたアイツからの電話がかかってくる。
「もしもし」
「紀天、遅くなってごめん。
朝から、会社行ってたんだ。
けどもう終わったから、何処行けばいい?」
「俺、今は実家なんだ。
なんかお前のこと考えてたら、気が付いたら実家に帰ってた」
「じゃあ、私も実家に行くね。
その後、何処かいこう?」
そう言ってアイツは電話を切った。
アイツとオフで会う。
そう決まっただけで、
何処か世界に明るさを増した気がした。