君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】


ソファーでやってたのに、起きたらベッドって……。




痺れなかったなーと気遣いながら、アイツを起こさないようにベッドから這い出すと
一人浴槽へと向かう。


昨日の名残の痛みを少しだけ感じながらも、
凄く幸せな朝。


シャワーを浴びて、着替えを済ませると
アイツの為に、朝ご飯を作りはじめる。



重さんのパンが一品。
だけどパンだけだと野菜が不足するから。


咲空良さん特性レシピの、アイツが大好きだった大根サラダと
・スクランブルエッグにヨーグルト。
それにフルーツ。


大根サラダだけだと野菜が偏るから、
小松菜とかを使って、スムージーも作ろう。



一人だけだと食パンを焼いて、既製品の野菜ジュースで済ませる私の朝食も
今日は、アイツを意識して豪華に頑張ろう。







全ての朝食の準備を終えた後、
アイツを起こさないように、AnsyalのDVDをセットして
ヘッドホン越しに流す。



ヘッドホンをかけて、両手を耳を押しながら
画面の中で輝き続ける、アイツを見つめ続ける。






「なんだよ……晃穂、また見てたのかよ」



何時の間にか、ベッドから起き出してきたアイツが
背後から私を抱きしめる。



そのまま指先は、私の胸元を刺激する。
ピクリと固くなる素直の体。




「勝手にベッドを出た罰。
 画面の中の俺に、浮気した罰……」



なんて、わけの分かんないことをいいながら
そのまま再び眠ってしまう、子供のようなアイツ。




バカっ!!




再び寝落ちてしまったアイツの体重が私に
押しかかる。



アイツの髪を撫でながら、
私はそのまま床の上で諦めた。







アイツが居るから……
私はありのままの私でいられる。







君を守る陰になりたい。






アイツの為に決意したその思いは、
今も永遠に……。



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