君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
その後、めくっていくと……アイツがスイミングスクールに行きはじめた頃の写真。
水着姿のアイツがプールサイドで柔軟運動をしてる写真続いて、
次の頁には、俺んちの実家の庭でバーベキューしてる写真。
似たような写真ばっか、並んでやがるなー。
そんなことを思いながら、アルバムをめくっていると
「あぁ~」っと晃穂の叫び声に似た声が空間に響いて、
俺は慌ててアルバムを閉じて、アイツに視線を向ける。
「どうした?」
床を這うようにアイツの傍に移動して、
アイツのPCを覗き込む。
画面には、託実がグランドピアノを象ったお墓の前で
手を合わせてる写真が、ネットに公開されてる。
「おいっ、これ」
思わず、その画面を確認して見つめる。
インターネットに公開されてる、BLOGには
*
多分、これAnsyalの託実だと思うんだ。
うちのお祖母ちゃんのお墓参りに行って、
プライベートの託実を見かけるなんて幸せ。
声はかけれなかったけど、
遠くから写メっちゃった。
*
なんて日記と一緒に貼り付けられてた。
場所が特定できる、墓地の名前とかの看板とかも一緒に
公開されてしまってる。
「悪気はないんだろうけど……
ないだけにたちが悪いな」
俺はシミジミと、写真とコメントを見ながら呟く。
そのブログのコメント欄には、
*
絶対、託実さんですよ。
その場所で、目撃情報あるんですよね。
*
私も見かけたことありますよ。
託実さんの車もとまってました。
*
ラッキーでしたね。おばあちゃんに感謝じゃないんですか。
*
など、次から次へとコメントも増えてる。