君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】


その後、めくっていくと……アイツがスイミングスクールに行きはじめた頃の写真。


水着姿のアイツがプールサイドで柔軟運動をしてる写真続いて、
次の頁には、俺んちの実家の庭でバーベキューしてる写真。



似たような写真ばっか、並んでやがるなー。




そんなことを思いながら、アルバムをめくっていると

「あぁ~」っと晃穂の叫び声に似た声が空間に響いて、
俺は慌ててアルバムを閉じて、アイツに視線を向ける。



「どうした?」


床を這うようにアイツの傍に移動して、
アイツのPCを覗き込む。



画面には、託実がグランドピアノを象ったお墓の前で
手を合わせてる写真が、ネットに公開されてる。



「おいっ、これ」


思わず、その画面を確認して見つめる。



インターネットに公開されてる、BLOGには





多分、これAnsyalの託実だと思うんだ。


うちのお祖母ちゃんのお墓参りに行って、
プライベートの託実を見かけるなんて幸せ。


声はかけれなかったけど、
遠くから写メっちゃった。








なんて日記と一緒に貼り付けられてた。




場所が特定できる、墓地の名前とかの看板とかも一緒に
公開されてしまってる。






「悪気はないんだろうけど……
 ないだけにたちが悪いな」




俺はシミジミと、写真とコメントを見ながら呟く。


そのブログのコメント欄には、



絶対、託実さんですよ。
その場所で、目撃情報あるんですよね。



私も見かけたことありますよ。
託実さんの車もとまってました。



ラッキーでしたね。おばあちゃんに感謝じゃないんですか。





など、次から次へとコメントも増えてる。

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