君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
その後も晃穂が画面を進めていくと、
Takaが本屋さんとスーパーで、
知り合いらしい女の人と買い物している写真。
「あぁ、Takaまで取られてる。
プライベートってこと、知らないのかな?
有名税って言っても、許されるの限度あると思うんだけど」
っと、またその情報を何かに貼り付けて送信。
そうやって、いろいろと検索しながら次から次へと引っかけていく
ネット上のあらゆる情報。
「あぁ、やっぱりあったか……。
紀天、うちらのも出てきた。
重さんちのパン屋から出た瞬間に取られてるっぽいね。
重さんに迷惑かからなかったかな?」
そう言いながら、すぐに携帯を掴み取って何処かへ電話する
アイツ。
電話の主は、俺たちの事務所らしく
アイツのデューティーでもあった、
宝珠さんの名前がチラチラと会話の中で出てくる。
俺は俺で、アイツが気にしてた重さんの店へと
連絡を入れて、一言お詫びを入れておく。
それぞれに電話を入れ終えて、一息いれると
アイツは再び、PCを触りはじめた。
裏方のアイツ。
俺がこの道を歩き始めたその時から、
アイツはいつも、俺の為にずっと裏方の存在で居続ける。
アイツに守られている俺たち。
俺たちが輝き続けるために、
アイツは、いつも……地道な役回りを率先して行い続ける。