君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
8.ファンマナー -晃穂-
「晃穂、俺またバンド始めるわ。
今度の仲間は、お前も良く知ってるやつだよ。
悧羅の学祭で一緒にえんそうした仲間だ」
二学期になってすぐ昂燿校から連絡してきたアイツの声は、
凄く生き生きしていた。
週末や学校の休みの度に昂燿校から帰って来ては、
スタジオに籠って練習をし続ける日々。
アイツが加入した翌年の三月。
アイツの新しいバンドAnsyalは、
十夜をサポートボーカルに迎えてメンバー四人で一枚のフルアルバムを発売した。
インディーズの世界でありながら、
デューティーである華京院宝珠さまの事務所に在籍して、
学業の合間に活動しているみたいだった。
レコードショップで予約して購入した初回特典付CDの他に、
紀天が直接くれた、SAMPLEのシールが離れたCDと
私の部屋の棚には、二枚のCDが並んでる。
アイツの新しい仲間のメンバー構成、サポートボーカルに、十夜。
ドラムに憲と名乗るアイツ。
ギターのTaka。ベースの託実、この四人。