君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
10.デューティーからの誘い -晃穂-
夏休み後半。
Ansyalの最初のツアーも後半戦、残り僅か。
最近は、私が勝手に遣りはじめたマナーの悪いファンに対しての注意で
一部の人間には反感をかいはじめた。
反感をかいはじめたのは知ってるけど、途中で辞めることなんて出来ない。
ファンをAnsyalの財産にしたいもの。
明日は……今回の「降臨祭」ツアーファイナル。
S市 エメラルドホール
開場17時 開演18時。
チケットは手配済み。
よしっ。
何時ものように服を着替えて出掛ける家。
隣のアイツは、昨日も帰宅しなかったみたいだった。
朝から喫茶店にアルバイトに出掛けて、
私はバイトの後から、会場に向かう。
会場に向かいながら、ふと携帯を取り出して、チェックをすると
懐かしいデューティーからの着信が入ってた。
駅について、切符を買いながらデューティの携帯へと電話をかける。
「こぎげんよう。晃穂。
元気だったかしら?」
「ご無沙汰しています。宝珠さま
お電話有難うございます。
紀天がお世話になってます」
久しぶりの電話なのに、こんな言葉しか出てこない。
紀天がお世話になりましたって、私はアイツの保護者かいっ。
思わず心の中で突っ込む。