君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】



「あらっ、紀天から私のこときいていたのかしら?
 
 だったら話が早いわ。
 晃穂、Ansyalの為に私の傍で働きなさい。

 貴方が、彼らの為に尽力してくださってるのは私も存じてるわ。

 怜の結成された、貴方の大切なSHADEのようなバンドに
 Ansyalをしたいと願っているのよね」


「宝珠さま、お申し出は凄く嬉しいです。

 だけど私は、中の人間ではなく、外の人間として
 中では見えない、いろいろなものに意識を向けたいんです。

 アイツを大好きな一人として」

「晃穂、ずっと貴方を見続けてきた私が貴方の想いを知らないとでも思って?

 でも貴方の行動を好ましく思わない一部の心無いファンもいるの。

 その存在から貴方を守りたいと思ってはいけないかしら?
 貴方に何かがあれば、私が紀天にどうやって顔向けすればいいの?

 でも強制は出来ないわ。
 今日のところは、引きさがりますわ。

 晃穂、気が変わったら何時でも連絡をしてらっしゃい」



そう言って宝珠様は電話を切った。







私がAnsyalのスタッフ?
そんな未来、考えたこともない。






To:紀天


今からS市に向かうよ。
LIVE楽しみにしてる

晃穂






当たり障りのないメール。


絵文字も何も入ってない一見冷たそうなメールでも
紀天は時間を見つけて返事をくれる。



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