君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
「親父、紀天の大切な絹谷晃穂ちゃんが居なくなった。
至急、瑠璃垣と関連企業と提携企業の街中のカメラ確認して。
オレはまだLIVEから離れられない。
後、30分後公演を終わらせるから、車を会場にまわしてほしい」
三人が頑張っている中、尊夜もまた自分の情報網を駆使して
アイツを探してくれていた。
何もできないのは俺だけかよ。
「紀天、タイムリミット。
ステージに合流して、最後まで遣りきるぞ」
「あぁ」
自身の不甲斐なさに苛立ちながらも、
俺たちはステージに戻って、託実・Taka・祈と合流して
最後までステージをやり遂げる。
アイツがずっと守ろうとしてくれる
この場所を降りる事だけは、
アイツに顔向け出来ないと思ったから。
俺たちのこの場所を、俺のこの場所を守るために
アイツが一番必死だったのを知っているから。
LIVE終了後、ステージを後にした俺は、
尊夜に促されるように真っ先に関係者出入口から飛びだした。