君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】
13.君を守るために -紀天-
LIVEハウス内の出入口ドアからファンたちが退室するのを
スタッフ誘導で、少し時間をずらしてくれる手配になった。
LIVEハウス前には、尊夜の連絡を受けてズラリと立ち並んだ高級車の真っ黒な列。
関係者ドアから会場を出ると、尊夜専用のリムジンのドアを運転手がゆっくりと開く。
尊夜の前に停車しているリムジンの前からは、
親父と咲空良さん、そして晃穂ん家のおばさんの姿。
「伊吹君、すまなかったね。
怜皇がすぐに、車を手配してくれたよ」
「いえっ。
それでは、僕は救出に向けて準備がありますので
失礼します」
尊夜は、そう言うと車の中に乗り込んで
車内で慌ただしく、ノーパソを広げながらデーターを見つめ続けた。
晃穂ん家のおばさんは、体を震わせながら
不安と向き合ってるみたいで、そのおばさんに
咲空良母さんがそっと肩に手を添えるように寄り添う。
「紀天。
今、怜皇に防犯カメラの映像も含めて情報を共有してきた。
晃穂ちゃんの足取りは順調につかめてるよ。
街の至る所に設置された防犯カメラにちゃんと、
晃穂ちゃんが乗せられた車は確認されている。
まだ提携している一部の企業からのデーターが転送されてきてない。
だけど、大丈夫だ
今、車のナンバーも特定できたから、
玲皇が警察関係者の知り合いからも情報を供給して貰えるように頼んだ」